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[ Note ] 「つなぎ合わせる」を担ってきた道具

甲府の工房を訪れると、職人の作業台に所狭しと並んでいる彫金道具の数々。職人の方とやりとりをする傍ら、それらを眺めるのがひとつの楽しみになっています。用いる職人の手になじむよう柄を削ってあるハンマー、用途や番手違いで何十本と使い分けられている鑢(やすり)…機能性を追い求め、職人たちによってかたちづくられてきた道具にはある種の美しさが宿るように感じます。

Staple|collection|cobaco


奇しくも新作コレクション「Staple」で私たちが着目したのは大工職人が扱う工具のひとつ「鎹(かすがい)」でした。2つの材木をつなぎとめるために打ち込む、コの字型のくぎ。朝鮮半島から持ち込まれた木材を固定する技術で、国内でも古墳時代から用いられてきたものだと言います。古来から「つなぎ合わせる」を担ってきた道具。つなぎ合わせるものを木材から天然石と金属に置き換えてみるところから今回のコレクションははじまっています。職人が用いる道具の美しさ、そして彼らのクラフトマンシップに対する畏敬の念が「鎹(かすがい)」と出会わせてくれたのかもしれません。

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