Information - Daily

「New Jewelry TOKYO 2025」出展に伴うお休みについて

いつも当店をご利用くださり、誠にありがとうございます。

11/28-12/1の3日間東京表参道にて開催されるイベント「New Jewelry TOKYO 2025」への出展に伴い、下記に記載の休業期間中、オンラインストアでいただいたオーダーへの対応、お問い合わせへの返信対応等をお休みさせていただきます。

11月24日(月祝)定休日
11月25日(火) 定休日
11月26日(水)臨時営業
11月27日(木)-12月1日(月) イベント出展に伴う臨時休業
12月2日(火) 臨時営業
12月3日(水) 定休日
12月4日(木) 臨時休業

なお、イベント出展前のリングサイズゲージレンタル対応につきましては、11月26日(水)13時頃までのオーダーが対象となります。以降にいただきましたオーダーにつきましては、12月2日(火)以降、順次送付してまいります。

イベント前後は臨時営業・休業があり、変則的な営業となります。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。

[ New In ] ホリデーシーズンを彩る新作ダイヤモンドリング登場

ホリデーシーズンに合わせて、新作リングが登場。細身のシグニットリングに、バゲットカットダイヤモンドを一石あしらいました。印台の面に沿ってまっすぐにダイヤモンドを配し、石留めはできるだけ控えめに。ダイヤモンドの直線と地金の面が呼応し、手元に凛としたニュアンスが生まれます。

日常にすっとなじみ、視線を向けると透明度の高い静かな輝きが立ち上がる——そんな静けさの中に工芸的な精度が息づく、ミニマルなデザインを目指しました。単体はもちろん、他のリングとの重ねづけでも美しくまとまります。



▼ Baguettecut Diamond Ring_signet
https://cobaco.shop/products/053

[ Event ] New Jewelry TOKYO 2025



2025年11月28日(金)~11月30日(日)の3日間、東京・青山のスパイラルにて開催される日本最大規模のデザイナーズジュエリーイベント「NEW JEWELRY TOKYO 2025」への出展が決まりました。今シーズン、関東で直に商品をご覧いただける唯一の機会となります。関東近隣にお住まいのみなさま、ご来場お待ちしております。



本イベントでは、特別企画として限定アイテムをご用意。アイコニックなシルバーパーツを連ねたチェーンモチーフをトップにあしらったロングネックレスが会場に並びます。

[ Limited ] Silver Long Necklace_staple
素材: SV925 / K10
¥62,700 tax-in
※数量限定



コレクション『Staple』の新作アイテムも登場予定。定番のバイカラースモーキークオーツやルチルクオーツなどはもちろん、本コレクションでは初登場となるマザーオブパール、ラピスラズリをあしらったアイテムなど、オンラインには掲載していないアイテムも会場に並びます。(ピアスおよび一部のリングは即売可能なアイテムのため、その場でお持ち帰りいただくことができます)



その他、シーズン限定コレクション『選べるダイヤモンド』をはじめ、定番の『選べる誕生石』など、ホリデーシーズンをを彩るアイテムが登場する3日間。表参道でみなさまをお待ちしています。

※イベントでの展示商品は、一部商品を除き、多くが試着用サンプルとなります。即売可能なアイテム以外のオーダーをご希望の方は、オンラインストアよりご注文ください。

※展示スペースの関係上、今シーズン限定コレクション『選べるダイヤモンド』やコレクション『Staple』、『選べる誕生石』のアイテムを中心にディスプレイを行う予定です。cobaco BRIDAL・cobaco for babyのアイテムをはじめ、すべての商品をお持ちしていますので、ご希望のアイテムが展示されていない場合は、スタッフに気軽にお声がけください。

※イベント中、修理品の直接預かりはできません。ご了承ください。
※当日のご購入、オーダーはキャッシュレス決済のみとなります。

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[ Event Info ]
New Jewelry TOKYO 2025
https://newjewelry.jp/nj2025/
※外部サイトへリンク


開催日時|
2025年11月28日(金)11:00-20:00
2025年11月29日(土)11:00-20:00
2025年11月30日(日)11:00-19:00

場所|
SPIRAL 1F - 3F
(cobaco出展エリア:3F/ホワイエ・ホール)




〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
「表参道駅」B1出口前

Holiday Season 2025 スタート

いよいよホリデーシーズンの到来。cobacoでは本日11月1日からHoliday Season 2025の展開がはじまります。シーズン限定コレクションに今季限定アイテム、さらにはシーズン中のニューアイテムリリース…今季も多くの企画をご用意。シーズンを盛り上げていきます。

1. シーズン限定コレクション『選べるダイヤモンド』オーダー受付開始

今季もシーズン限定コレクション『選べるダイヤモンド』が登場。ラウンドブリリアントカット、ローズカット、プリンセスカット、エメラルドカット…それぞれ異なるカットを施した4つの特別なダイヤモンドをコンビカラーのジュエリーに仕立ててお届けします。

▼Holidays limited 2025『選べるダイヤモンド』
https://www.cobaco.shop/collections/holiday_limited_diamond

 

2. 今季限定アイテム登場

シーズンコレクション『選べるダイヤモンド』から今季限定アイテムが登場。今季はカラーに注目。アームから突き出すように立ち上がる円錐(えんすい)型のトップに、カラーダイヤモンドをセッティングしました。ホワイト、ブラウン、ライトイエロー、アイスブルーの4種のカラーから選べます。直線と曲線のコントラストが生む構築的な造形が、指先に静かな存在感をもたらします。

▼Holidays limited 2025『選べるダイヤモンド』
https://www.cobaco.shop/collections/holiday_limited_diamond

 

3. ホリデーシーズン関連コラム公開中

円錐(えんすい)のフォルムをベースに設計した、ホリデーシーズン限定リング。4つのポイントから、その特徴を紐解きます。

[ Column ] 選べるカラーダイヤモンド
https://cobaco.shop/blogs/column/059

今冬を彩るジュエリーたちをピックアップ。いくつかのコーディネートサンプルをどうぞ。

[ Column ] Styling Sample|Holiday Season 2025
https://cobaco.shop/blogs/column/060

ホリデーシーズン限定コレクション『選べるダイヤモンド』に関するコラム「4つの輝き、4つの視点」。輝きの違いをはじめ、フォルム、仕立てなど、4つのダイヤモンドジュエリーの特徴についていくつかの角度からご紹介します。

[ Column ] 4つの輝き、4つの視点
https://cobaco.shop/blogs/column/033

大切な人へのギフトをお探しの方へ。おすすめのアイテムをピックアップします。

[ Column ] Holiday Gift 2025
https://cobaco.shop/blogs/column/058

 

4. イベント出展予定

2025年11月28日(金)~11月30日(日)の3日間、東京・青山のスパイラルにて開催される日本最大規模のデザイナーズジュエリーイベント「NEW JEWELRY TOKYO 2025」への出展が決まりました。今シーズン、関東で直に商品をご覧いただける唯一の機会となります。
特別企画としてイベント限定アイテムもご用意。その他ホリデーアイテムを含む多くのアイテムをご覧いただけます。関東近隣にお住まいのみなさま、ご来場お待ちしております。

▼イベント詳細
https://cobaco.shop/blogs/information/000114


5. シーズン限定ラッピング登場

ジュエリーをお届けするパッケージもシーズン限定仕様に。期間中ジュエリーをお買い上げくださったすべての方(※一部のアイテムを除く)を対象に、ホリデータグを添えてお届けします。今季は、イラストレーターの橋本新さんに依頼。ホリデーをテーマに3つのイラストを描いていただきました。どの絵柄が届くかは、届いてからのお楽しみです。タグは、メッセージカードとしてもお使いいただけます。

※3種のタグはランダムにお届けしています。絵柄をお選びいただくことはできません。
※「cobaco for baby」、「cobaco BRIDAL」、「その他アイテム」は他のパッケージでのお届けとなります。
※2026年1月5日10時頃オーダー分までが対象となります。
※数量限定のため、期間内であってもなくなり次第通常パッケージでのお届けとなります。

[ Note ] 金木犀の香りは誰のもの?

金木犀の香りを見つける頃になると、折坂悠太の言葉を思い出します。

秋になると、SNSで『金木犀の香り』という言葉が目につく。書き手の情緒がクイックに再生される反面、現実にそれを嗅いだとき、自分のなかに湧き起こる実感が形骸化される。(中略)これらの表現に共通するのは、それを語る人の主体が隠される点である。自分のなかからでてきた言葉に確信が持てず、共感のツールで潰してしまうのだ(折坂悠太『藪IN』より)

誰しも「秋を感じる瞬間」があります。
風の冷たさ、夕暮れの色、空気の匂い──それらが自身のなかでふと結びつき、「ああ、秋だ」という感覚が立ち上がる。その感覚は他の誰かと共有できなくても、確かに自分自身の中に息づく秋のかたちです。

一方で、“誰しもが秋を感じるであろう”景色や香りがあります。その代表格が、金木犀の香りでしょう。この言葉(記号)を使えば、手軽に「秋の訪れ」をみんなと共有できる。けれどその便利さの裏で、「私」が感じた秋のかたちは、言葉の奥に隠れてしまう。彼が指摘する「隠された主体」とは、まさにこのことなのだと思います。

誰もが発信者になれる時代に、なぜか「主体」は後退していく。AIが整えた言葉や再生数を意識したトレンドのフレーズが画面を覆い、届け手の実感から少しずつ遠のいていく。いま私たちは「誰の言葉なのか」が見えづらい世界に生きています。

みながみな金木犀の香りで秋を感じる必要はありません。それぞれの中にある“実感を伴った秋”が大切にされる世の中であってほしい。「主体性の回復」には「多様性の受容」が不可欠だからです。cobacoというブランドも、その小さな多様性を肯定する場所でありたいと常々思っています。

そしてこうも思うのです。
理屈ではなく、誰かの身体を通って生まれた言葉は、たとえ小さくても確かな体温を帯びている。そうした言葉と出会うとき、私たちは他者の中にある「主体」と静かに触れ合うことができるのだと思うのです。それは、言葉に限らず、人が生み出すあらゆる作品に通底していることかもしれません。

ふと、星野源の『くだらないの中に』という楽曲の一節が思い出されます。

首筋の匂いがパンのよう すごいなあって讃えあったり
くだらないの中に愛が 人は笑うように生きる

「首筋の匂いがパンのよう」と思ったことはないのに、その比喩がすっと身体に入ってくる。そして、その情景に人の幸せがつまっているように感じられるのです(少なくとも私にとっては)。彼の言葉には確かな“体温”があり、聴く者の心にじんわりと響きます。

届く言葉、届く作品とは、「この感覚をわかるのは私だけかもしれない」と思わせながらも、多くの人の心に触れるものなのかもしれません。

Atelier Schedule|12月

12月のアトリエについてのご案内です。
「アポイントデー」は事前予約制で1組ずつご来店いただけます。「オープンデー」はアトリエを1日開放し、ご予約なしで自由にお越しいただける日となっています。みなさまのご来店お待ちしております。


[ オープンデー / 予約不要 ]
12月7日(日)11:00-17:00
12月20日(土)11:00-17:00
※マリッジリングのご相談は予約優先

[ アポイントデー / 要予約 ]
13日(土)
14日(日)
※オンライン相談は希望日の2週間前までにお申し込みください

▼ご予約はこちらから
https://cobaco.shop/pages/our-space
※選択欄でグレーアウトしている日時は満枠等の理由によりご予約いただけません。

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・cobacoのアイテムはオーダー制となるため、当日お持ち帰りいただくことはできません(一部アイテムを除く)。
・クレジットカード等やApple Pay等キャッシュレス決済でのお支払いにのみ対応しております。あらかじめご了承くださいませ。
・アトリエ内にはガラスや天然石など繊細で壊れやすいもの、また、階段や段差がございます。お子さまをお連れの場合は十分にご注意ください。オープンデーの際は他のお客さまへのご迷惑にならないようご配慮をお願いいたします。
・ジュエリーを試着されることもございますため、ご入店の際にはアルコールでの手指の消毒にご協力をお願いいたします。
・アトリエ内にお手洗いのご用意はございません。

[ Note ] 忘れる人、忘れられる人

「今日はあなたが電話をかけてきてくれるまで、誰とも会わず、一度も言葉を発しなかったの。家の庭木たちは、私に話しかけてはくれないのよ。」

初期の認知症の兆しが見えはじめた頃、祖母が電話口でそう言いました。祖父が亡くなり、長年連れ添った犬も逝ってしまってから、祖母は静かな家にひとりで暮らしていました。両親は頻繁に通っていましたが、それでも、圧倒的な「独りの時間」が彼女を包みこんでいたのです。

人は家族や社会とのつながりを失うと、自分の存在する意味を少しずつ見失ってしまうのかもしれない。そして、身体はその痛みを生理的に回避しようとする。あるいは、心が「望んで」記憶を薄めていくのかもしれない。電話越しの祖母の声に耳を傾けながら、私はそんなことを考えていました。

そしてこの夏。両親とともに墓参りに出かけた日のことです。一日中一緒にいた父が、一度も私の名前を呼ばなかったのです。誰かに話しかけるとき、いつも相手の名前を枕詞のように添えるのが常だった父が、です。

現役時代よりひと回りもふた回りも小さくなったその背中に、私は祖母の姿を重ね合わせていました。ついに来たか——。どこかで覚悟していたはずの現実が、いざ目の前に立ち現れると、身体にまとわりついてくるようなどんよりとした重苦しさを覚え、なんとも暗澹たる気分になります。

高度経済成長のただなかを駆け抜け、仕事に人生を捧げてきた典型的な「団塊の世代」の父。退職後もしばらく働いていましたが、数年前、勤務中の転倒で足腰を悪くしてからは一線を退き、家にこもる時間が増えました。その頃からでしょうか。会話の端々に、かすかな違和感を覚えるようになったのは。

他者(父)がこれまで築いてきた記憶や時間が、少しずつ削り取られていく寂しさ。その過程をそばで追体験する痛みなのか。あるいは、実の親に“忘れられていく”私自身の悲しみなのか。いまはまだ整理がつきません。

それでも、記憶が薄れていくことは、寂しさであると同時に、やさしさでもあるのかもしれません。忘れることでしか耐えられない孤独が、きっとあるのだと思います。ただ、その名を呼びかける声は、どうか最後まで届いてほしいとも願うのです。

[ New in ] コレクション『Staple』に今季新作石がラインナップ



本日10月10日(金)よりコレクション『Staple』に新しい天然石が追加されました。
定番のバイカラースモーキークオーツをはじめ、ブラックオニキスやデンドライトアゲートなど、これからの季節に相応しい天然石が新たにラインナップ。ぜひご覧ください。

▼コレクション|Staple

[ New in ] コレクション『選べる誕生石』に新たなアイテム登場

コレクション『選べる誕生石』に新たなアイテムが加わりました。本日10月10日(金)よりオーダー受付開始です。

 



- Birthstone Ring_cone
一本の線が回転し、ひとつの面となり、やがて立体が立ち上がる。その単純な運動から生まれる造形には、根源的な美しさがあります。古代ギリシャ以来、円錐(えんすい)は幾何学の原点であり、美しい曲線の母体として捉えられてきました。
余計な装飾をそぎ落とし、その純粋な形状にフォーカス。ジュエリーという小さな立体の中に、「かたちを生み出す」という行為の原点を映したリングが出来上がりました。円錐型のトップには、小さな誕生石を一石あしらっています。




- Birthstone Ring_vase
白磁の花器を見ていると、静けさの中に張りつめた緊張が感じられる。何かを受け入れるためにできた形は、それ自体が完結していないことが美しさの理由のように思えます。その佇まいに、いつからか心を惹かれてきました。
何もない空間を引き受けながら、そこに“何かが生まれる余地”を保っている。その静けさや緊張感を、ジュエリーという小さな存在に写し取りたい——そんな思いから、生まれましたのがこのリングです。アームから小さく伸びた花器の挿し口のような頂きに、極小の誕生石を一石あしらいました。



コレクション『選べる誕生石』に新たなアイテムがラインナップされたことを記念し、ささやかなプレゼントキャンペーンを実施します。
詳細は下記よりどうぞ。

▼キャンペーン詳細

[ Campaign ] 誕生石ポストカードプレゼントキャンペーン



この度コレクション『選べる誕生石』に新たなアイテムが加わったことを記念し、ささやかなプレゼントキャンペーンを実施します。期間中に新商品「Birthstone Ring_cone」、「Birthstone Ring_vase」を含むコレクション『選べる誕生石』のアイテムをオーダーくださった方を対象に、誕生石のイラストをあしらったオリジナルポストカードを先着順でプレゼント。お選びいただいた誕生石とおなじ誕生月のポストカードを石数分お届けします。


[ 対象期間 ]
2025年10月10日(金)-2025年10月26日(日)

[ 対象者 ]
上記期間中にコレクション『選べる誕生石』のアイテムをオーダーしてくださった方

[ プレゼント内容 ]
誕生石ポストカード
※オーダーいただいたアイテムの誕生石数に応じてお届けするポストカードの枚数が変わります。(例.Birthstone Ring_signet(3石)ならお選びいただいた誕生石と同じ月の誕生石ポストカード3枚をお届けします)

[ プレゼント獲得の流れ ]
対象商品をカートに入れると、ポップアップ画面が現れます。画面右下部の「Continue」ボタンを押すと「誕生石ポストカードプレゼント」という項目がカートに追加されます。
※ポストカードが必要でない場合は、ポップアップ画面右下の「Remove」ボタンを押してください。カートから外れます。

[ その他注意事項 ]
・お1人様1アイテム分までを対象とさせていただきます。(対象アイテムを複数ご注文いただいた場合、その中から当店にて対象となる1アイテムを選定させていただきます)
・期間中であっても予定枚数に達し次第、キャンペーン終了となる可能性があります。

[ New in ] Drop Sleeve Atelier Coat 今季分販売開始のお知らせ


より洗練されたかたちへとアップデートされたオリジナルのアトリエコート。製作を依頼しているデイリーウェアブランド「FRANCESCA AMAM LABEL」から今季分が届きました。実際に私たちも仕事着として愛用していますが、リラックスしたかたちのなかに品が感じられて、纏うたびに気持ちがしゃんとします。

本日9月1日(月)から販売開始。数量限定でのお届けです。お求めの方はお早めにどうぞ。

▼Drop Sleeve Atelier Coat
https://cobaco.shop/products/049

[ Note ] 養殖のわたし

いい人でいる努力をしてきた。いい人のふりをし続けられれば、それは「いい人」と変わらないから──彼女はなかば自分自身に言い聞かせるように心の中でつぶやく。ある漫画の中で印象に残った1コマです。

そこには、“天然”と“養殖”の対比がありました。“天然”の「いい人」は取り繕いなく自然体で人に接し、その存在だけで周囲を和ませる。それを目の当たりにした“養殖”の彼女は、自分の不器用さと偽物くささに痛みを覚えます。どれほど努力を重ねても“天然”の清らかさには届かない気がして、胸の奥がちくりと疼くのです。

けれど、彼女は最後に気づきます。理想の自分がどれだけ遠く感じられても、その理想へ向かって一歩ずつ進んできた事実に変わりはないことを。日々手を動かし続けるからこそ「なろうとする自分」に価値が生まれる。努力の質などは問わず、ましてや才能の有無などはまったく問題ではありません。長い時間積み重ねた圧倒的な量こそが、人をかたちづくるからです。

小さな試行錯誤の積み重ね。その一つひとつが、無数の水滴となってやがて大海をなすように、”わたし”という存在を“養殖”以上のものに育ててくれる。やがて、その蓄積が“養殖”の殻を破り、自身の個性となり、生き様の陰影となっていきます。

もちろん、“天然”の輝きはまぶしいです。けれど、純粋さも作為も、どちらも人間らしさの現れ。そこに至るまでの道のり──選択と試行錯誤の果てにこそ、その人だけの物語が立ち現れるはず。“養殖”のわたしは、漫画のなかで出会った彼女の気づきに何だか救われたような気持ちになりました。

[ New in ] コレクション「Staple_PLAY」イヤーカフにシルバータイプ登場



コレクション「Staple」を構想するなかで生まれたアイコニックなかたちにフォーカスをあてたイヤーカフ。これまでゴールドカラーのみの展開でしたが、この度シルバータイプが新たに登場しました。


▼Silver Ear Cuff_staple
https://cobaco.shop/products/040_03_02

[ Event ] cobaco写真館 vol.5 開催

今年で5回目の開催となるアトリエイベント『cobaco写真館』。9月23日(火/祝)、アトリエが一日だけ特別な写真館になります。ご家族そろって、大切な誰かと一緒に、友人同士で、ペットと一緒に、自分自身を…あなたの2025年を写真に残しませんか。

※受付終了しました

写真館イベントを始めた背景

美しい日々の予感|cobaco


「結婚10周年を記念して家族のリングがほしい」
「おばあちゃんの還暦祝いにネックレスをプレゼントしたい」
「春から離れ離れになってしまう友人とおそろいのリングがほしくて」

さまざまなきっかけでcobacoのジュエリーをオーダーいただきます。誰かと距離が縮まる。あらためて誰かのことを思い起こす。自分自身が勇気づけられる...。私たちがお届けしているジュエリーが担う役割についてあらためて思いを巡らせてみると「写真」というメディアが担っている役割と重なるところが多いことに気付かされます。以来、お客様一組一組のかたちが写真として残っていく姿を見守るような活動ができたらと考えるようになりました。

ジュエリーブランドと写真、一見つながりのないように見える2つの点を結ぶことで新しい何かが生まれるのではないか。キービジュアルの撮影でいつもお世話になっている写真家・加藤晋平さんに相談を持ちかけ、2020年に『cobaco写真館』の活動が始まります。

『cobaco写真館』について

atlier cobaco


神戸三宮にある私たちのアトリエが一日だけ特別な写真館になります。巷の写真スタジオでよく見かける、色とりどりの背景紙も、たくさんのライトも、撮影機材もありません。あるのは、アトリエの空間と窓から差しこむ自然の光、そしてカメラのみ。その時、その場所での自然な姿を写真に収めたいと考えています。

cobaco写真館


撮影を担当いただくのは、ブランドビジュアル撮影でもいつもお世話になっている写真家の加藤晋平さん。無印良品の撮影室に在籍されていたこともあり、空気をまとった透明感のある一枚を撮影してくださいます。


cobaco写真館

実際にアトリエで撮影した仕上がり写真のイメージです。お写真はフォトグラファーの方でセレクトを行い、六切サイズにプリントします。(六切サイズは縦254mm×横203mm、おおよそB5サイズ程度の大きさです)

cobaco写真館

プリントされた写真は、写真館イベントのために製作したオリジナルの写真台紙に収め、お客様のもとへお届けします。写真データは別途メールにてお送りします。撮影当日からおよそ1ヶ月程度でお届けする予定です。

写真家紹介

shinpei kato

加藤晋平
-
1976年生まれ。神奈川県出身。カメラマンアシスタント、無印良品撮影室を経て2009年よりフリーランスに。2011年、岡山県に移住。広告、雑誌等商業写真の仕事の傍ら、家族写真の撮影も行う。2014年、岡山、東京で写真展「家族のカタチ」を開催。2015年よりドラマチック四街道プロジェクトに参加。2018年ブランドリニューアル当初よりcobacoのブランドビジュアル撮影を担当。

cobaco うつくしい日々の予感。
cobaco うつくしい日々の予感。
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato
photo by shinpei kato

all photo by shinpei kato

▼shinpei kato official website
https://katoshinpei.net/


[ 開催概要 ]
日時:9月23日(火/祝)10:30〜16:00
※10時30分から30分枠でのご予約制となります
(12時10分~13時00分は休憩)

10:30〜11:00/1組
11:05〜11:35/1組
11:40〜12:10/1組

13:00〜13:30/1組
13:35〜14:05/1組
14:10〜14:40/1組
14:45〜15:15/1組
15:20〜15:50/1組

[ 場所 ]
atelier cobaco
神戸市中央区生田町4-6-4

各線三宮駅より徒歩10分 / 各線新神戸駅より徒歩8分
○フロインドリーブ本店の裏手です。
○専用の駐車場はございません。お車でお越しの際は近隣のコインパーキングをご利用ください。近隣の方のご迷惑になりますため路上駐車はご遠慮ください。

[ 料金 ]
[1]はじめましての方:22,000円(税込)/1組
[2]これまでにcobacoでジュエリーをオーダーしてくださったことのある方(過去の写真館イベント参加者含む):19,800円(税込)/1組
※ご予約の際にお支払いいただきます。

(料金に含まれる内容)
撮影1カット(所要時間約30分)/写真データ(jpg形式)&プリント(六切サイズ/縦254mm×横203mm)各1枚/オリジナル写真台紙付

[ お渡し方法 ]
撮影当日に下記2つのお渡し方法からお選びいただきます。

[1]アトリエにてお引き渡し
11月実施予定のアトリエオープンデーにお越しください。(ご予約なしでお越しいただけます)※実施日は撮影当日にお知らせします

[2]ご郵送
10月末ごろを目処にヤマトの宅急便にてお届けします。
※送料はお客さまにご負担いただきます。(着払いにて発送)

[ その他注意事項 ]
・写真のセレクトはフォトグラファーにお任せいただきます。
・原則お客様のご都合によるご予約のキャンセル・払い戻しは承っておりません。(ただし、当店都合でイベントが中止または延期になった場合、すみやかにご返金手続きを行います)
・ペット同伴での撮影はご予約時に応相談。抱っこをしていただいた状態での撮影が前提となりますので、大型犬など、抱っこができないペットとの撮影はご遠慮願います。
・撮影当日は、アトリエ内にお着替えスペースを設けますので、お着替えいただくこともできます。

※参加に際しては下記に同意をいただきます。ご確認の上お申し込みください。
・撮影した写真データは個人(※)でのみ使用し、商用での使用を行わないことに同意する。(※SNSのアイコン画像含む)

※来場時のお願い
・当日は「完全入れ替え制」となります。他のお客さまとの接触を避けるため、ご予約時間より早くお越しいただくのはご遠慮ください。
・発熱等の風邪の症状がある方、体調がすぐれない方は、ご来場をお控えください。


[ New in ] 「飾る天然石」に新たな天然石がラインナップ

コレクション「飾る天然石」に新たな天然石がラインナップ。
青の濃淡が美しいカイヤナイトに原石そのままのトルマリン、ヘマタイトが混入したルチルクオーツなど…大自然によって長い時間を積み重ね形成された結晶たちはどれひとつ同じものがありません。

▼Collection|飾る天然石
https://cobaco.shop/collections/mineral_specimens

 

[ New in ] コレクション「Staple_PLAY」ブレスレットに新たなサイズ登場

コレクション「Staple_PLAY」で展開しているブレスレット。S/M/Lのサイズ展開に加え、ご要望が多かったXLサイズが新たに登場。4サイズから選べるようになりました。

対象アイテム:
Silver Chain Bracelet_staple
Gold Colored Bracelet_staple
※XLサイズのみ有料オプション

Collection:
Staple_PLAY


[ 2025/9/26 追記 ]
9/26より、サイズの表記、サイズ別の価格等変更をおこなっております。

Sサイズ→廃止
Mサイズ→新Sサイズへ変更
Lサイズ→新Mサイズへ変更
XLサイズ→新Lサイズへ変更

上記の記事とは内容が異なります。何卒ご了承くださいませ。

[ Note ] 耳を澄ませば

一年の半分近くを山で過ごし、鳥たちの行動を観察する生活を何年も続けている研究者がいます。彼には鳥たちの言葉が"わかる"のだといいます。長い年月、鳥の鳴き声に耳を傾け続けるうちに培われた身体感覚によるものなのでしょう。

いつか読んだインディアンの血が流れる男の子の物語をふと思い出しました。チェロキー族の祖父母に引き取られた少年は、深い森で暮らすうちに木々の呼吸や動物の心を感じ取れるようになっていく──言葉に頼らず世界と対話する感覚が、いつしかその身に宿る。研究者の静かな確信にも、同じ「身体化された理解」が宿っているように思えます。

身体ひとつで森へ分け入り、双眼鏡と小型レコーダーというごくありふれた道具だけを頼りに、鳥の視点を自身の身体を通して“翻訳”していく。何千時間という膨大な時間を重ねるうち、鳥の鳴き声に「単語」と「文」があること、語順を入れ替えると意味まで変わることを彼は突き止めます。言語は人間固有の能力だとするこれまでの"常識"を揺るがす、驚きの発見です。

最先端の技術や道具を用いるわけでもなく、この身一つで研究を重ね、世界的な常識を塗り替える成果へと至る──彼の活動姿勢に触れると、「情報が洪水のようにあふれる時代にまだ誰も手を付けていないアイデアなんて存在するのか」という不安が、ふっと剥がれ落ちます。まだ名の付けられていない価値は、手の届く半径に潜んでいる。そんな希望が芽生えるのです。

[ Note ] ChatGPTと五感の復権

横断歩道で信号が青に変わるのを待っていたときのこと。私の前を横切った70代くらいの女性4人組の1人が「いまからChatGPTに聞いてみるわ」と言いながらスマートフォンを取り出しました。他の3人も「せやせや、ちょっと聞いてみて」と軽やかな口ぶり。そのやりとりがあまりにも澱みなく自然だったことに、静かに衝撃を受けました。そこまで浸透してきているのかと。

彼女らの会話を耳にして、スマートフォンが世の中に登場した当時のことを思い出しました。電車に乗り込む度にスマートフォンを眺めている人の割合が増えていったあの時と同じように、また世の中の景色が変わるタイミングがやってきたのだと感じたのです。

それから数日後、行きつけのヘアサロンでスタイリストの方が「僕、いまめっちゃ歩きたいんですよね」と興奮気味に語り出しました。きっかけは、ソールが薄く足裏の感覚を取り戻せる“ベアフットシューズ”を履いて歩くベアフットウォーキング。裸足のように地面を感じながら歩くことで、足本来の筋肉が目覚め、姿勢も呼吸も整う――そんな身体感覚の再発見が、いま静かな広がりを見せているそうです。

AI が文章を整え、経路を提案し、時には話し相手にもなってくれる日常――便利さの裏で、私たちは「触れる・嗅ぐ・聴く・味わう・見る」という五感を、少しずつスクリーンの向こうに預けてきたのかもしれません。だからこそ、足裏に伝わる地面の温度、頬に当たる風の軌跡、遠くの鳥の声といった微細な刺激が、かけがえのない体験として戻ってきているように感じます。

人間にしかできないこと、味わえないことって何だろう。AIという”人間らしく振る舞う何か”が現れたことで、哲学者が対象とするような壮大な問いが多くの人の関心事になってくる時代がやってくるのかもしれません。最後に、ChatGPTに「人間だけが味わえるものは何か」と尋ねてみました。

ChatGPTの回答:
「AI がいくら賢くなっても、恋をして胸が高鳴ったり、怖い映画を観て手に汗をかいたりすることはできない。人間が当事者として感じ、悩み、語り合う“生きた物語”はなくならないはずだよ。むしろ AI がルーチンを担うぶん、私たちはその唯一無二の体験をいっそう大切にできる時代になるんじゃないかな。」

[ New In ] 新コレクション「Staple_PLAY」 登場

建材を結ぶコの字型の釘「鎹(かすがい=Staple)」に着想を得たコレクション「Staple」。石留めパーツの繊細な稜線を伸ばしたり、縮めたり、連ねたり。天然石を抱くアイコニックなフォルムを主役に、さまざまな可能性を試してみるなかで、そのエッセンスを軽やかに遊んだもうひとつのコレクション「Staple_PLAY」が誕生しました。

本日5月23日(金)より発売開始。オンラインストアにてご覧いただけます。

▼コレクション|Staple_PLAY
https://cobaco.shop/collections/staple_play

発売に合わせてコーディネートサンプルをまとめたコラムも公開中。こちらも合わせてご覧ください。

▼コラム|Styling Sample “Staple_PLAY” 

[ Note ] 澱みなく流れ続けること

アトリエ近くを流れる生田川。気が付けば春が過ぎ、川沿いの桜並木もすっかり瑞々しい緑に包まれています。静かに流れる川を眺めていると、時折時間が経つのを忘れて眺め入ってしまうことがあります。その美しさはどこからやってくるのでしょう。

澱みなく静かに流れ続けることで、水は清らかさを保ち、そこに住まう生き物たちを潤す。けれど、流れが滞り、澱みが生じれば、水は少しずつ濁り、生き物たちは姿を消し、やがては不快な匂いさえ漂い始めます。流れ続けること自体が美しさをつくり出しているのかもしれません。

一方、私たち人間の身体のなかでは、日々細胞が真新しく入れ替わっています。数日も経てば、細胞的には別人と言えるくらいに。川も人も「流れ」の中にあるわけです。その流れが澱んだり、せき止められたりすれば、不具合を起こすのも想像に固くありません。

私たちが日々携わるものづくりにおいても、「澱み」にはいつも気を配らせています。変化を恐れ、同じ場所にとどまり続ければ、やがて心や考えは徐々に凝り固まってくる。新しい刺激や価値観が入ってこないままでは、視野は狭まり、感性は鈍り、活力も失われていく。いつの間にか、関わる人たちとの間にも、言いしれぬぎこちなさが漂い始めます。振り返ってみれば、何かがうまくいかないと感じていた時期には、大抵何らかの澱みを抱えていたように思います。

新しいプロジェクトを立ててみる。これまでと違った方向性のデザインを思案してみる。停滞を感じることがあれば、その澱みを解消するために、あえて居心地のよい場所からはみ出してみるよう心がけています。

もちろん、常に動き続けるのは容易なことではありません。疲れてしまったり、少し休みたくなる時だって当然あります。けれど、短い休息と澱みとは本質的に異なるもの。立ち止まることで、進む方向を軌道修正したり、次へと進む力自体を養うこともできるでしょう。ただ、そこに長くとどまっていてはやがて水が濁ってきてしまいます。

変化を恐れず、好奇心を持って日々を新しくしていくこと。小さな一歩でも前へ進もうとすること。そんなことに思い巡らせながら、澱みなく清らかな川の流れに目をやると、そこに意志があるように感じられて不思議な感覚を覚えるのです。

[ New In ] コレクション「Staple」に新たなかたちがラインナップ

厳選された大振りの天然石の魅力を余すところなく堪能できるコレクション「Staple」。これまでメインで展開してきたランダムシェイプに加え、この度オーバルシェイプが登場。そのクラシカルで品のあるシェイプは、ランダムシェイプとはまた違った角度から天然石の魅力を引き立てます。

本日5月9日(金)より発売開始。オンラインストアにてご覧いただけます。

▼コレクション|Staple
https://cobaco.shop/collections/staple

[ New in ] コレクション『Staple』に今季新作石がラインナップ

本日4月25日(金)よりコレクション『Staple』に今季新作石がラインナップ。
鮮やかな青が美しいシーブルーカルセドニーや爽やかなイエローが目を引くレモンクオーツなど、これからの季節に相応しい天然石が新たにラインナップ。ぜひご覧ください。

▼コレクション|Staple
https://cobaco.shop/collections/staple

[ New in ] Grain Top Ringリニューアル登場

Grain Top Ring(K10YG/K18YG)|cobaco

地金のみを用いて、宝石をあしらったかのようなジュエリーができないか。そんな発想から生まれたGrain Top Ring。デザインを一新し、アップデートしました。


白磁の花器を思わせる、静謐な佇まい。アームから伸びたトップにはマリッジリングの仕上げにも用いられる特殊な加工を施し、細かな凹凸を与えました。光があたるたびに控えめな輝きが生まれます。

Grain Top Ringの販売に合わせて、コーディネートサンプルを取り上げたコラムも公開中。ぜひご覧ください。

▼[ Column ] Styling Sample|Grain Top
https://cobaco.shop/blogs/column/052

[ Note ] 理性と感性が描きだす風景

もう何年も前のこと。IQが200近くあり、アインシュタインに匹敵する頭脳を持つという少年の日常に密着したテレビ番組を観ました。彼は物理や数学といった学問を探求する一方で、絵を描き、音楽を奏でるなど、クリエイティブな活動にも熱心に取り組んでいました。「科学を突き詰めると、芸術の扉が開く」。彼はそう語っていたのです。

科学を突き詰めると、芸術の扉が開く──彼が語った一言が、いまでも強く印象に残っています。(うろ覚えなので、そのままの言葉だったかは定かではありませんが)一般的には科学と芸術は相容れないものと思われがちだけれど、それらが交わる消失点が確かに存在するのではないか。少年の言葉は、そんな考えを巡らすきっかけになりました。

岡潔、寺田寅彦、中谷宇吉郎──思えば学生時代から、科学者が綴る言葉に惹かれてきました。彼らが語る世界には、私たちが日々目にするありふれた風景に触れながらも、そこには見慣れた景色を超えた、新たな発見と美しさが広がっている。科学者らしく理知的な言葉はどこか詩的で、知らない世界へといざなうものでした。

久方ぶりに書棚から引っ張り出した寺田寅彦の随筆集には、奇しくも「科学者の天地と芸術家の世界とはそれほど相いれぬものであろうか」と書かれていました。

物理学者でありながら、芸術や文学にも深い関心を抱いていた寺田。彼にとって科学とは数式の羅列ではなく、自然の美を探求する営みでした。研究対象であった物理現象は、科学的に分析されると同時に、その美しさやリズムに心を打たれるものだったのです。

中谷宇吉郎が「雪は天から送られた手紙である」と表現したように、科学的な観察が極まると、詩的な世界へと接続される。また、岡潔が数学の研究を通じて「情緒の世界」に至ったように、科学の果てには感性の領域が待っています。

芸術家と科学者。どちらも鋭い観察力と豊かな想像力を要する点において、本質的に似た資質を持っている。そして、その根源には通底する「驚き」や「美への感動」があります。

この視点はものづくりにも通じます。素材を見極め、余分を削ぎ落として美しいバランスを見出すこと。それは単なるデザインではなく、自然の法則を捉える理学的行為であり、仕上がった作品に宿る美しさを直感で見極める力は芸術の本分です。

科学の目と芸術の心が目指すところは、寺田の言葉を借りればまさに“同一な真の半面”。理性と感性が響き合う世界に触れることで、私たちはより深く豊かな世界の姿に気づくことができるのだと思うのです。

[ New in ] オリジナルアトリエコートがリニューアル登場

私たちの仕事着として長く愛用してきたアトリエコート。実際に身につけるなかで感じたことを踏まえ、あらためて見直すことにしました。

国産の上質な綿生地を用い、職人の確かな手仕事で仕立てるデイリーウェアブランド「FRANCESCA AMAM LABEL」に今回も製作を依頼。前回のアトリエコートのよさを活かしながら、さらに洗練されたかたちへとアップデートしています。

コレクション「Staple」でデザインした石留めパーツを背に配し、ジュエリーブランドならではのさりげないディテールもプラス。2年の歳月を経て、現在(いま)の気分に相応しい一着が完成しました。

▼Drop Sleeve Atelier Coat
https://cobaco.shop/products/049

▼[ Column ] アトリエで生まれた、新しい仕事着
https://cobaco.shop/blogs/column/050

▼[ Column ] Styling Sample | Drop Sleeve Atelier Coat
https://cobaco.shop/blogs/column/051

[ Note ] 熱を持つものに、人は惹かれる

理系科目の成績はさっぱりだったけれど、学生の頃からなぜか熱力学第二法則には関心がありました。熱は、熱いものから冷たいものへと移動し、その逆は成立しません。熱いコーヒーは時間とともに冷めていくし、混ぜたミルクは元に戻らない。エネルギーは常に高いところから低いところへと流れていく。極めてシンプルでありながら、だからこそ強い説得力を持つ物理法則です。

エネルギーの高いものに、人は集まります。熱源がなければ、動力は発生しません。人の熱意、それによって生み出された作品の持つ力は、周囲へと伝播していく。この法則は、物理の世界だけでなく、人間の営みにも当てはまるように思えました。だからこそ、ずっと頭の片隅に残り続けているのかもしれません。

アーティストやデザイナー、職人、ミュージシャン——ゼロから何かを生み出す人たちは、例外なく「熱」を持っています。それは技術であり、思想であり、あるいは「好き」という純粋な情熱かもしれない。けれど、そこには確かに「エネルギーの高さ」があり、その温度差が人を惹きつけ、動かす力になります。「好きなものや掲げた目標を追いかけ、考え、発信し続ける人」に人は惹かれる。それは、エネルギーが自然と流れ出す構造と同じです。

cobacoというブランドは、「熱」を感じさせる世界観を有しているわけではありませんが、それでも作り手として常に静かな熱を帯びていたいと考えています。そして、私たちのデザインするアイテムが、ただの装飾品ではなく、身につけることでその人自身のエネルギーを引き出す触媒のような存在でありたい。そう願っています。

 

[ New in ] コレクション『Staple』に新しい天然石がラインナップ

1月24日(金)よりコレクション『Staple』に新しい天然石がラインナップ。定番のバイカラースモーキークオーツやルチルクオーツをはじめ、独特の灰青色した光沢が美しいホークスアイなど、珍しい天然石もセレクトされています。ぜひご覧ください。

▼コレクション|Staple
https://cobaco.shop/collections/staple

[ Note ] 急がず、待つこと

アトリエでの午前の仕事を終え、ランチを済ませた後、午後の作業に取りかかる前のひととき。一杯のコーヒーを淹れることが日課となっています。

まずは、やかんに水を注ぎ火にかける。お湯が沸くのを待つ合間、コーヒーミルで豆を挽いておきます。ドリッパーにフィルターをセットし、挽きたての豆を静かに移す。沸いたお湯をケトルに移し、ドリッパーの縁から中心に向かってそっとお湯を注ぐと、豊かな香りがふわりと立ち上ります。すこし蒸らした後、またお湯を注いでいきます。急がず、焦らず、ゆっくりと。焦って淹れてしまえば、どうしても苦みが残ります。それを避けるために、時間をかけてじっくりと淹れます。

オンラインで注文した商品は翌日には届いてほしいし、気になったことはすぐに答えが知りたいし、目的地には最短でたどり着きたい。なんでも「速く」「手っ取り早く」が価値を持つ時代です。コーヒーひとつ取ってもできるだけ短い時間で済ませたくなる。けれど、それでは美味しい一杯にありつけません。だから、あえて「手っ取り早く」の誘惑に抗うのです。

ジュエリーのデザインにも通ずるものがあります。気を急いてかたちを決めていくと、どこかぎこちなさが残ってしまうもの。アイデアが浮かんだら、しばらくそのままにして、時間をおいてからもう一度向き合ってみる。それを繰り返しているうちに、少しずつ"かたち”になっていきます。

その昔、書道の先生に「字をきれいに書くコツは何ですか?」と尋ねたことがあります。返ってきた答えは「じっくりと時間をかけて書くこと」。当時は、ただ時間をかければよいのかと、味気なく思いもしました。いまになってようやくその言葉の意味がわかってきたように思います。

急がず、待つこと。
時間をかけることで、物事はより豊かに、深まっていくのだと思います。

[ Note ] 沈黙するノリウツギ

アトリエの入口にあるささやかな植栽スペースに植わっているノリウツギというアジサイ科の植物。初夏を迎える頃、淡い緑の輪郭をまとった白く美しい花弁の群れを咲かせます。夏の間咲き誇った後、徐々に茶色く朽ち、秋口に入る頃には枯れた花は摘み取られ、すべての葉が落ち、枝だけの状態に。翌年の夏まで、巡る季節のほとんどを枯れ木のような姿で過ごすことになります。

底冷えた真冬の朝に水をやっていると、ふと思うのです。もはや枝しか残っていないこのノリウツギは、実はもう枯れてしまっていて、次の夏がやってきても葉も花もつけないのではないだろうかと。

私淑していた哲学者の方が「コミュニケーションというのは、いつも無償のもの(=片方向)だ。帰ってこない(=返ってこない)から、配慮、無償の配慮が存在する」とよくおっしゃっていました。こうして寒さに耐えながら植栽に水やりをしていると、不思議とそのことが腑に落ちます。

毎日のように水をやっていても、仮に水やりをサボったとしても、ノリウツギは何も言ってきません。ただ枝のまま立っているだけ。それでも毎日のように(冬の間はすこし頻度が落ちますが)水をやり続けます。感謝も文句も言わず沈黙を貫いているそれが、次の夏、また葉をつけ美しい花を咲かせるからです。枯れ木の私に水をやり続けてくれてありがとう、と言わんばかりに瑞々しく。

同じことをオンラインストアでの販売にも感じることがあります。お客様の顔が見えないのはもちろん、メールでの連絡もこちらから連絡を差し上げることがほとんど。もちろん、メッセージをくださる方も多くいらっしゃいますが、基本的には沈黙している(反応のない)お客様に向けてご連絡を差し上げ、商品をつくり、お届けしています。

不思議なことにお客様が沈黙していればいるほど、こちらは相手のことを考えずにはいられません。私たちとのやりとりに、商品に、お客様は果たして満足しているのだろうか。こうすればもっと喜んでいただけるのではないだろうか。PCディスプレイのその先でお届けした商品を実際に身に着けていらっしゃるお客様の姿を想像しながら、試行錯誤を重ねています。

時折、「もう何年も肌身離さず身につけています」とおっしゃってくださるお客様にばったりと出会ったりして、胸を撫で下ろすのです。

[ New in ] レーザーホールダイヤモンドピアスがオンライン期間限定登場

先日東京表参道で開催されたイベント「New Jewelry TOKYO 2024」でもご好評いただいたアイテムが、本日より期間限定でオンラインストアに登場。コレクション「Staple」を構想するなかで生まれたアイコニックなK18YGパーツの先端にレーザーホールダイヤモンド(0.11ct)をあしらったピアス。繊細な稜線の先で揺らめくダイヤモンドの輝きを存分に味わうことができます。


Item:
2025年1月31日(金)まで
※数量限定のためなくなり次第終了