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最小の構造で成立するかたち ― Node

最小の構造で成立するかたち ― Node

どれだけ少ない要素で、かたちは成立するのか。
コレクション『Node』は、その問いから始まりました。

ジュエリーにおける石留めには、ある種の“常識”があります。爪留めであれば、4本、あるいは6本の爪で石を支えるというものです。複数の支点で固定することで、安定した強度を確保する。長く用いられてきた合理的な方法です。

一方で、爪の数が増えるほど、デザインへの影響は大きくなります。石に焦点を当てたいのに、支えるための要素が視界に入り込んでくるからです。

できるだけ少ない要素で支えたい。ただし、強度は損ないたくない。その両立が、このコレクションの出発点でした。


2本の爪とV字の溝

Nodeでは、爪の数を2本にまで絞り込んでいます。もちろん、単純に数を減らすだけでは、石を安定して支えることはできません。そこで、爪の内側にV字の溝を設ける構造を採用しました。

ファセットエッジがその溝に収まることで接触面が増え、結果として複数面で支える状態が生まれる。見た目には2点で支えているようでありながら、内部では複数の面で石を受けている構造です。

要素は最小限でありながら、成立している。その均衡が、このジュエリーの骨格を形づくっています。


石の持つ表情を読み取る

もうひとつ重要なのが、石そのものの扱いです。

本コレクションで用いる六角形の天然石は、外形としては均質な幾何形状を持っています。しかし、その内部には、それぞれ異なる模様や色の流れが存在しています。

どの面を石の"顔"として切り出すか。
模様をどの方向に走らせるか。

その選択によって、同じ原石からでもまったく異なる表情が現れます。

私たちは、デザイナーとしての立場から、どのような表情を求めるのかを言葉にし、職人に伝えます。しかし、それをどの位置で切り出すか、その最終的な判断は職人に委ねられます。

石を手に取り、光の当たり方を確かめながら、職人は最も魅力が立ち上がる位置を探っていく。この「石取り」の工程が、最終的な印象を大きく左右します。


構造と素材、その均衡

構造と素材、そのどちらか一方では成立しない。両者が拮抗することで、はじめて成立する状態があります。

『Node』という名前には、力が集まり、かたちが成立する点という意味を込めています。最小限の構造によって支えられた石が、その内部に持つ表情を静かに立ち上がらせる。

その均衡を、指先に宿すためのコレクションです。