ジュエリーのような世界にいると「1mm」という単位は決して小さくありません。たった1mm違うだけで、繊細に見えたり、品が感じられたり、逆に粗野な印象に転んだり。大きく印象が変わってくるから不思議です。ちなみに「Gold Ring_plain(narrow)」をはじめ、cobacoの多くのリングがおよそ1mm幅。リング幅2mmとなると、わたしたちのブランドではもうマリッジリングのカテゴリになってきます。
さきほどもすこし触れましたが、今春に控えたパッケージリニューアルに向けていま準備を進めています。デザインをお願いしているデザイナーの方とやりとりをしていたら、パッケージのある部分について「12mm」がよいか、それとも「13mm」の方がよいかという話があがりました。ここでも「1mmの違い」です。一方はすっきりとした佇まいに感じられ、もう一方はバランスがよく安定感があり、やや力強さのようなものすら感じる印象。最終的に「12mm」に落ち着きました。
感覚の襞(ひだ)へと分け入るように小さな違いに目を凝らしてつぶさに観察していく。すると想像よりもはるかに豊かな世界が見えてくる。この世界に身を置かなければ、その楽しさに気づくこともなかったかもしれません。(まぁ、投げ出したくなるときもありますが…)