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やがて暮らしの一部になるもの

やがて暮らしの一部になるもの

選べる3つのリング幅

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

これまでcobaco BRIDALでは、メンズリングとレディースリングをペアにしてお届けしていました。けれど、いざ実際にお客さまと打ち合わせをすると「細い方が好みなんですけど、僕もレディースタイプにしてもらうことはできますか?」とご相談いただくこともしばしば。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

この時代にメンズとレディースに分けること自体がどうなのかという思いもあり、好みのリング幅を自由に選べるようにしようと決めます。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

中間となるリング幅を新たに設けることに。「narrow」「regular」「wide」の3サイズからリング幅を選べるようにしたのです。

選べる4つの色

たとえば、「K18」という地金。K18イエローゴールドもあれば、K18ピンクゴールドもあります。もっと言えば、イエローゴールドひとつとっても、いくつかのタイプがあったり、地金を製造するメーカーによって配合がすこしずつ違ったり、実は何種類も存在します。金属の配合はひとつの金種にひとつだけというわけではないんです。

なぜこんな話をしているかというと、ある金種で悩ましい問題が発生したのです。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

リニューアル前から人気の高かったK18ナチュラルホワイドゴールド。
ホワイトゴールドはプラチナより安価につくれることもあって、高価なプラチナの代替品としての役割をこれまでながく担ってきました。ロジウムコーティングというメッキ加工を施すことで最終的にプラチナのような白さに仕上がるのですが、地金そのものの色合いは実は「ほんのり黄色味を帯びた白」。

元の色を隠すようなことはせず、できれば本来の姿でずっと身につけていただきたい。cobaco BRAIDALではあえてコーティングを施さないナチュラルなままのホワイトゴールドをお届けしてきました。

ここでようやく”悩ましい問題”の話に戻ります。リニューアル後のcobaco BRIDALのリングを製作してくださることになった職人の方が使っていたナチュラルホワイトゴールドの色合いがこれまで当店で扱ってきたものと微妙に違うことが発覚したのです。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

これまで当店で扱ってきたもの(写真上)とくらべて、より白味が増した色合い(写真下)。地金をつくるメーカーによって色差もあることだし、なによりこの色もとても魅力的。これから「K18ナチュラルホワイトゴールド」はこの色味でいこう。そう決めました。

決めたんです。決めたはずだったけれど、これまで扱ってきた色合いもやはり捨てがたい...周りの人に相談してみても「この色も選べるようにしてほしい」と言われる始末。悩んだ末、職人さんに相談したところ、もうひとつの素材を試してくださることになりました。

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K18シャンパンゴールド。私たちがこれまで扱ってきたナチュラルホワイトゴールドとかなり近い色合いでした。粘った甲斐がありました。すぐにラインナップ入りを決めます。

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役者が出そろいました。左からK18イエローゴールド、K18シャンパンゴールド、K18ナチュラルホワイトゴールド、Pt900プラチナ。4つの色から選べます。

DESIGN01:プレーン | シンプルほど難しいものはない

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職人さんともっとも多くやりとりを重ねたデザインが「プレーン」。なんの装飾もないシンプルなデザインなのに、どこにそこまで調整が必要だったのか。こだわったのはリングの丸み。

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プレーンでは、リング表面の角を落とすことで実際のリング幅よりも繊細でひかえめな印象になるようデザインをしています。角が残っていると繊細さに欠けるし、一方で削りすぎてしまうと悪い意味でデザイン的にエッジがたちすぎてしまい、飾らない印象ではなくなってしまいます。気持ちのよい丸みを探るため、何度も職人さんとやりとりを重ねました。

DESIGN02:槌目(つちめ) | 360度同じ模様

まずはリニューアル前の槌目デザインをご覧ください。

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身につけたときに指の腹の方にくる腕下(うでした)と呼ばれる部分があります。サイズ直しを行うときに簡単に作業ができるよう、腕下には装飾を施していません。

腕下に模様や装飾が施されていると、サイズ直しができないか、できたとしても元の印象を崩さないようにサイズを直すことが相当に難しくなるからです。けれど、ぐるっと一周同じ模様が施されている方がデザイン的には理想。

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今回リニューアルにあたって、一周ぐるっと槌目がはいるデザインに変更しました。あとからサイズ直しをしても槌目模様を元どおりに再現できる、職人さんの熟練の技があってこそのかたちです。

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一言で槌目といっても、切りだった山々のようなものから、スライム状のものが連なったようななめらかなものまでさまざま。エッジがたつほど、個性が強く感じられる仕上がりになっていきます。暮らしになじんでいくものにしたかったので、できるだけなだらかな、けれど、決してダレているようには見えない槌目を目指しました。

DESIGN03:カーブ | リング幅と曲線の関係

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL 

カーブリングは、他のデザインと同じリング幅で仕上げてしまうと、どうしてもぽってりとした印象になってしまいます。すべてのリング幅で他のデザインに比べて数ミリずつ細くデザインすることで、すっきりとした印象に仕上げています。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

もうひとつ配慮したのが、リング幅とカーブ具合の関係。厚みが増せば増すほど、カーブの存在感が強くなってくるので、悪目立ちしないように、リング幅が太くなるごとにすこしずつ曲線がゆるくなるよう調整を施しています。

DESIGN04:コンビ | 熟練の技あってのデザイン

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リニューアルの際にようやく実現したコンビカラーデザイン。

以前に展開していたコンビリングは、K18イエローゴールドのリングの半分にロジウムコーティングというメッキ加工を施し、白く見えるようにしたものでした。ただ、あくまでもメッキなので、時間の経過とともに剥がれてきます。お客さまから「メッキが剥がれてきて」とご相談いただき、メッキをかけ直したことも何度かありました。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

マリッジリングは、歳を重ねていくに連れて生活の一部になっていくもの。ながい時間に耐えうるものをお届けしなくてはならないという思いもあり、ラインナップから外したのです。

メッキではなく、K18イエローゴールドとプラチナという異なるふたつの素材をつなぎ合わせた本当の意味でのコンビリングをつくりたい。以来、ずっと職人を探し続けてきました。

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プラチナとゴールドでは熱を加えたときに金属が膨張する割合(熱膨張率)が違います。ふたつの素材を溶接してつなぎあわせたところが冷えるときの縮み具合が異なるから、失敗すると接合部がはがれてきたり、歪んだりして、きれいに仕上がりません。それだけ技術的に難易度の高い加工なのです。

やがて暮らしの一部になるものだから|cobaco BRIDAL

熟練の技をもつ職人との出会いによって数年越しにようやく実現したデザイン。ようやくラインナップに加えることができました。

 

新しく生まれ変わったcobaco BRIDALのお話はここまで。多くの”ふたりだけのかたち”に出会えますように。