親から子へ贈られる、特別な小さなリング。
cobacoでは、手に触れるすべての要素──ジュエリー、パッケージ、付属品──から、ご家族のきずながそっと感じられるものを目指しました。
輪のかたちを探す時間
企画の初期には、思いつくままに線を引き、数えきれないほどのラフを描きました。強度やサイズ展開、石の大きさ──ひとつずつ条件を洗い出していくたび、当初のイメージから離れてしまうこともあり、また微調整を重ねるうちに新しい形が生まれることもありました。
原型づくりに着手するまでには、気づけば1年以上の時間が過ぎていました。

複雑なデザインや繊細なラインを正確に表現するため、原型はジュエリーCADで起こしています。シリーズ「dots」は、象徴となる“輪”の曲線を忠実に再現したかったため、CADの精度を頼りに、石座や丸いフォルムを0.1mm単位で整えていきました。

“輪”はいくつがいいのか
最も悩んだのは、輪の数です。誕生月の「12」を基準にする案もありましたが、そのまま反映すると一つひとつの輪が大きくなり、全体の繊細さが損なわれてしまいます。
12か、13か──時間をかけて検討した末に、最終的には13を選びました。デザインの均衡と、手にしたときの佇まい。その両方を満たす数として、直感がそちらに傾いたからです。

CAD画からおこされたワックス(蝋)型は、まるで玩具のよう。石を仮置きし、指にそっとのせてみる。仕上がりはワックス型より一回り小さくなるため、完成図を思い描きながら幅や厚みを丁寧に整えます。

その後、鋳造・研磨の工程を工房の職人が引き継ぎ、ようやくひとつのベビーリングが形を整えます。
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前編はここまで。後編では、オリジナルボックスや真鍮プレートが続々とできあがっていきます。







