親から子への特別な贈りもの、ベビーリング。商品からパッケージに至るまで、お届けするすべてのものから家族のきずなが感じられるものを目指しました。
イメージした“輪っか”のかたちに近づけるために
企画段階では、とにかくラフスケッチをたくさんたくさん描いて、アイデアをふるいにかけていきました。強度やサイズ展開など、必要な要素を洗い出していくと、当初のイメージどおりにできないことが分かったり、使いたい石のサイズやバランスを考えながら微調整を繰り返したり。実際の制作にとりかかるまでに1年以上の月日が流れていました。
ジュエリーの原型を起こす方法はいろいろありますが、複雑なデザインや繊細なラインを表現したいものなどは正確で緻密なデザインが可能な、ジュエリーCAD(キャドと読みます)で起こすことが多いです。
toivoa baby ringは、要となる”輪っか”のまるい曲線をイメージに忠実に再現したかったので、コンピューターを使ったCADで原型を仕上げることに。デザイン画を送ってから数週間後、CAD画が仕上がってきました。ベビーリングの石留め部分と丸のかたちは0.1mm単位の微調整を何度も繰り返して、お届けできるクオリティに高めていきます。
こちらはマザーリングのCADです。
難しかったのは、"輪っか"の数でした
今回いちばん難しかったのが”輪っか”の数。誕生月数の「12」に合わせたかったのですが、そうするとひとつの”輪っか”のサイズが大きくなり、繊細さが失われてしまいます。
12にするか13にするか・・・。輪っかの数がひとつ違うだけでうける印象が大きく変わってしまいます。ベビーリングが届いたとき、うれしいのはどっちだろう。すごく悩みましたが、最終的には、直感を信じて13個に決めました。
CAD画からおこされたワックス(蝋)型は、一見おもちゃのよう。セッティング予定の石を置いてみたり、指にはめてみたり。実際の仕上がりはワックス型よりも一回りちいさくなるので、完成図を想像しながら幅や厚みなどを最終調整します。
左がマザーリング、右がベビーリングのワックス型
いよいよ鋳造工程に。仕上げまでを工房の職人さんにお願いし、いよいよベビーリングが完成します。
前編はここまで。後編では、オリジナルボックスや真鍮プレートが続々とできあがっていきます。