英語で『amethyst』と呼ばれ、水晶の色変種のなかで最高位に評価されている紫色の水晶。国内でも古来から紫は最も高貴な色とされ、万人から愛好されてきました。その美しい紫は、アメシストに含まれる微量の鉄(Fe)元素が発色させています。ゴールドとの相性もよいことから、コレクションに加えることに。
植物の化石を思わせるビジュアルから「樹形石」とも呼ばれるデンドライトアゲート。苔のようにも見えるその正体は、鉱物や岩石の割れ目に沈殿した極微細な金属鉱物の粒子。その粒子が連なって植物が茂ったように見えます。ややアンティークな趣きも感じさせ、鎹(かすがい)パーツとの相性がよく、コレクション入りを決めました。
古くは紀元前3000年頃、シュメール人やエジプト人によって使われはじめたとされるスモーキークオーツ。水晶に含まれる微量のアルミニウムに天然の放射線が作用することで褐色します。コレクションでは、褐色に濃淡を感じさせるものやクリアカラーと組み合わさったものなど、宝石として色気を感じさせてくれるバイカラーのものを採用。
ゴールド色やシルバー色をした無数の針のようなものが透明な結晶のなかに閉じこめられているルチルクオーツ(針入り水晶)。針の色や太さ、密度によってひとつずつ違った表情を見せてくれます。純度の高いルチルはシルバーに近い色合い。微量の鉄分が含まれることで、針の色が黄色く変化します。ルチルは光をよく反射することから、実際には黄色というより金色に輝いているように見えます。コレクションでは、シルバーカラー、ゴールドカラーを双方セレクト。
さきほど取り上げたデンドライトアゲートのように、苔のように見えるインクルージョン(内包物)が印象的なモスアクアマリン。その模様を創り出しているのは、鉄とチタンの酸化鉱物であるチタン鉄鉱(イルメナイト)。モスアクアマリン自体希少性の高い天然石ですが、こちらのピースのようにところどころムーンストーンのような青白い光(シラー)が見られるものは中でも特に希少性の高いものになります。
世界中に広く産出する鉱物であるクオーツ。地域によって、さまざまな成分が混じり合わせるため、内包物(インクルージョン)の種類も数えくれないくらい存在します。そのなかのひとつがトルマリンインクオーツ。その名のとおり、針状に結晶したトルマリンが内包されています。同じく針状の内包物を持つルチルクオーツと比べると、幾何学的な印象を抱かせる、しっかりとした黒い針が特徴。
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Collection “Staple”
ふたつの建材をつなぎとめるために用いられるコの字型の釘(くぎ)、「鎹(かすがい=Staple)」。 古来より建築のために用いられてきた道具を、天然石と貴金属をつなぎ留めるのに応用できないか。 そんな発想から生まれたコレクション「Staple」。ランダムカットを施した天然石を鎹(かすがい)型パーツによって石留めする新しいジュエリーが誕生しました。