ベビーリングとセットでお届けしているcobaco for babyオリジナル記念プレート。彫金作家の方に依頼し、ひとつひとつ手づくりで仕上げていただいています。
美しく文字を刻むために
「プレートに文字を刻印していく前に、まずノートに刻印内容を書き出してみるんです。刻印内容がプレートにどんな配置で並ぶのかをイメージして予行演習する感じでしょうか。完成図が頭のなかにインプットされるから、いざプレートに向かったときに文字位置の細かな調整もしやすくなるんですよね。」
オーダーいただく度に刻印内容をこうして毎回書き出しているのだと言います。
ノートに書き終えると、今度はプレートです。まず中心線を引き、両端へ1文字分ずつ枠を広げていくようにしてガイドラインを書きこんでいきます。
ここまで準備をして、ようやく刻印入れの作業に移ります。
美しさと味わいのバランス
こちらは刻印棒。
「使いはじめた当初は慣れてきたらもっといいものに乗り換えようと思っていたんですけど、使い続けていくうちに道具も育ってくるというか。どんどん打ちやすくなっていくんです。彫金をしている友人からも『道具はよっぽどのことがないかぎり使い続けたほうがいいよ』と言われて。結局、同じものをずっと使い続けています。やっていくうちに不思議と好きな文字と苦手な文字が出てくるんですよね。ちなみに、わたしは『1』が好きで『2』が苦手だったりします(笑)。」
記念プレートはマットな質感のはずなのに、なぜ一度鏡のようにピカピカに磨いたんだろう?前編のコラムを読んで、そう思われた方もいたかもしれません。
実は、プレートに文字が反射して思った位置に刻印棒をセッティングすることができるから、一度あえて鏡面になるよう磨いているんです。文字の配列を美しく仕上げるために、細やかな工夫がいくつもなされています。
力を入れて勢いよくハンマーを降りおろすのかと思いきや、力を入れている感じがしません。あまり力まずにトントントンと2-3回打ちつけるくらいがきれいに刻印するコツだそうです。
あらかじめ書きこんだガイドラインに沿って手際よく一文字ずつ打刻していきます。
「基本的にはガイドラインに沿って打っていくけれど、たとえば『TSUMUGI』ちゃんだと文字数が多いから、あまり広がりすぎないように文字と文字の間のスペースをほんのすこしずつつめるように調整したり、逆に『AO』ちゃんだったらプレート幅に対して文字数がすくないからすこしゆとりを持ったかたちに調整したり。全体のバランスがよくなるように気をつけています。」
すべての文字が刻印されました。ガイドライン内にしっかりとおさまりつつ、文字位置の微妙なズレによって手仕事の味わいが感じられるものに仕上がっています。
最後まで手をかけて
ここまで来れば、完成まであとすこし。リューターという電動工具を使って、プレートに穴をあけていきます。
プレートにはめこむカラーストーンを取り出し、石のテーブル面がしっかりと表をむくように慎重にはめこみます。ななめにはいってしまったりすると、正しい向きになおすのが大変なのだとか。
最後に何度か磨きの作業を重ねて、マットな質感に仕上げていきます。
ようやく完成です。
すべての記念プレートがひとつひとつ手仕事によって時間をかけてつくられていく。その過程を知ることでいちだんと愛着が湧いてきたような気がします。
これからオーダーを検討されている方はもちろん、これまでにベビーリングをお届けしてきた方々にも、記念プレートのことをもっと知っていただきたくて、コラムにしてみました。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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記念プレートは、真鍮(しんちゅう)製のため、空気に触れると酸化がすすむ性質があります。くすんでしまった場合のお手入れ方法についてはこちらをご覧ください。
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