ベビーリングとセットでお届けしているcobaco for babyオリジナル記念プレート。彫金作家の方に依頼し、ひとつひとつ手づくりで仕上げていただいています。
記念プレートがつくられる現場へ
彫金作家さんのアトリエへ。神戸の海も山も一望できる気持ちのよい作業部屋です。
「自宅兼アトリエなので、コンパクトなスペースでも作業がしやすいように道具などを工夫しながら製作をしています。」
手仕事が生む個性
はじめにざっくりと製作の流れをお話しておきます。作業工程はいたってシンプル。まず真鍮板を記念プレートのかたちに切り出し、刻印入れをして、磨いて、最後に石を留めれば完成です。
まず、ペンでグラシン紙に円を描いていきます。
「まずは真鍮板を記念プレートのかたちに切り出していきます。ぶっつけ本番で切り出すとかたちが安定しないので、グラシン紙でオーバル型をつくって真鍮板に貼り、ガイド役として使っています。」
「当初は、真鍮板にナイフなどでじかに線を引いて切り出したりもしたけれど、切り出していくうちに手で触れた部分から線が薄くなっていったり、窓からの光が反射して見えづらかったりして。結局途中から勘を頼りにやらざるを得なくなって線が迷いだすことが多かったんです。」
「もうすこし左寄りかな?右寄りかな?なんてやりはじめるとなかなか軌道修正するのが難しくて、仕上がりもガタガタになってしまう。いろんなやり方を試して、いまはこのやり方に落ち着きました。」
糸のこを使って、いよいよ真鍮板を切り出していきます。切り出しがうまくいくかどうかが仕上がりにも大きく影響してくるから、時間をかけてじっくりと作業していると言います。
特に凝ったかたちをしているわけではないけれど、シンプルなだけにきれいなオーバル型に切り出していくのは意外と難しいのだそう。
「基本的に同じかたちに見えるようには切り出しているけれど、糸のこの歯が真鍮板にあたる角度の微妙な違いなどで、まったく同じかたちには仕上がらないんです。手作業でやっているので、そこは機械とは違うところ。厳密に同じかたちをつくり出すことはできないけれど、そこが味というか、ひとつひとつのプレートに個性を与えることにつながるとも思っていて。」
同じかたちに見えるという水準はもちろんクリアしつつ、手作業だからこそのユレやズレから生まれる個性をあえて残す。こうして、ひとつひとつのプレートが特別なものに仕上がっていきます。
やすって、磨いて、整える
刻印入れの作業に入る前に、まだいくつか準備作業があります。まず、切り出したままだとプレートの側面がガタガタしているのでヤスリで整えていきます。
見比べてみるとその差は歴然。ガタガタとした面はやすられて、きれいに整えられました。
次に刻印をする面に研磨剤を塗って磨きます。すると、鏡のようにピカピカな状態に。いよいよプレートに文字を刻印していきます。
続きはvol.2へ。